202202
― 主な変更点 -
本書は、平成8年(1996年)2月「山岳トンネル工法における防水工指針」の改訂版として、防水シートと排水工についての最新技術および不具合事例調査結果にもとづ き、解決すべき課題・問題点を整理検討し、改訂版として取りまとめたものである。主な変更点は以下のとおりである。
◼️第2章 設計
アンケート結果を基に、課題を整理し設計における対応を追記した。特に排水に関しての課題が多かったため、湧水対策に関する記載を多く加えた。
<2・1設計一般>
① トンネル防水シート協会での高排水型裏面緩衝材の排水能力試験結果を参考資料として添付した。
② 防水シートの材質や厚みは、近年一般的に使用されている製品を中心に文言の変更を行った。
③ 形状、構成によるシート防水材の分類で構成分類一覧表を整理した。
④ 防水シート品質基準およ及び裏面緩衝材品質基準については、試験法のJIS番号が変更されているため、
最新のJIS番号に変更した。また、防水シートの継目強度試験法では、JTA(案)からNEXCO試験方法
706-1992に変更した。
⑤ 品質基準(案)の(案)を除いた。
⑥試験頻度を2回/年から1回/年に変更した。
<2・2設計細目>
① 湧水処理では、通水能力の高い立体網状体付き不織布を追記した。
② 防水シートの接合方法では、現状では行われていないファスナー式を削除し、熱溶着式のみの記載と
した。
③ シート防水材の幅では広幅シートが開発され、採用実績もあるため、4mに加え、6mも追記した。
④ シート防水材の重量比較表では、近年は使用されていない1.2mm厚を削除し、0.8mm厚と2.0mmと
の比較とした。
◼️第3章 施工
現場での施工実態を鑑みて不具合が確認されたものや現状で適用されていないものを削除し、標準的に行われている内容を追記した。
① シートの取付け方式では、防水シート貫通による漏水が確認されたため、外打鋲方式を削除した。
② 作業架台では、一般的に作業架台が採用されているため、ゴンドラ式足場を削除した。
③ 妻型枠部における損傷防止、鉄筋組立て時における注意点を追記した。
◼️第4章 施工管理
① 現状の材料品質のこれまでの採用実績や安定度合いを考慮し、品質基準試験の頻度を2回/年から
1回/年に変更した。
② 安全管理について、現行の基準に沿った内容に変更した(墜落制止用器具の着用義務)。
③ シートを貫通しない鉄筋の組立方法では、新しい事例を追加した(ラチス型支保工)。
④ 近年採用が増えてきた高排水型シートの採用事例を追加した。
◼️第5章実態調査結果追加
本章は「トンネル防水工に関する課題(不具合事例)と新たな提案」と題してトンネル現場に実施
(2019年、対象:施工会社)したアンケートの回答(全150件)を整理分析した。
◼️巻末資料
[Ⅰ]防水シート施工時の防火管理マニュアル(案)、[Ⅱ]高排水型防水シート施工事例、
[Ⅲ]排水性能の試験の例、[Ⅳ]鋼製支保工を用いた鉄筋組立方法(事例)