202403

区分
施工体験発表テキスト
図書分類
施工体験発表会
図書名/雑誌名
第95回施工体験発表会(都市)CD-ROM
主題/副題
都市におけるトンネル・地下構造物の新設・改良工事-環境配慮、施工改善、近接物対応事例-
所属
一般社団法人日本トンネル技術協会
発行所
一般社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
2024年(令和6年)10月
頒布価格 (団体・税込)
5000円
頒布価格 (個人・税込)
5000円
頒布価格 (一般・税込)
5000円
体 裁
CD-RプリントサイズA4
内容

目次:掲載頁/演題/発表者/所属

目 次

◆地中構造物が残された埋立地盤における各種リスクを低減した確実なシールド掘進
 ―北港テクノポート線インフラ部整備工事―
(株)大林組 大坂本店 鶴見シールドJV 工事事務所 土木係 市丸 智大
(概要)本工事は、2025 年開催予定の大阪・関西万博へのアクセスに用いる地下鉄トンネルを泥土圧シールド工法にて築造するものである。掘削対象は粘性土主体の埋立地盤で、全線にわたり圧密促進用ドレーン材が埋設されていた。掘進中のドレーン材引き込みによる地盤変状リスクを回避するため、切断により縁切りする必要があった。また、到達部直前には鋼管矢板が残置されており、交通量の多い道路直下では、地上からの撤去作業が困難なため、シールドマシンで直接切削して排除する必要があった。排土方式は、掘削対象地盤に存在するメタンガス対応として土砂圧送方式を採用しており、鋼管矢板などの切削物の配管閉塞防止にも配慮し、万博開催のため遅延できない状況下において、進捗に影響の少ない施工方法の選定が課題となった。本報文では、シールドマシンや排土設備の工夫により、地中構造物が残された埋立地盤において確実なシールド掘進を行った施工体験について報告する。
・キーワード:泥土圧シールド, 地中構造物, 埋立地盤, 粘性土, ドレーン材, 鋼管矢板, 直接切削

◆近接構造物に配慮したシールドトンネルおよび中間立坑工の構築
 ―北大阪急行線の延伸事業のうち土木工事―
(株)熊谷組 関西支店 営業部 総合評価対策グループ 金子 周平
(概要)本工事は、2025 年開催予定の大阪・関西万博へのアクセスに用いる地下鉄トンネルを泥土圧シールド工法にて築造するものである。掘削対象は粘性土主体の埋立地盤で、全線にわたり圧密促進用ドレーン材が埋設されていた。掘進中のドレーン材引き込みによる地盤変状リスクを回避するため、切断により縁切りする必要があった。また、到達部直前には鋼管矢板が残置されており、交通量の多い道路直下では、地上からの撤去作業が困難なため、シールドマシンで直接切削して排除する必要があった。排土方式は、掘削対象地盤に存在するメタンガス対応として土砂圧送方式を採用しており、鋼管矢板などの切削物の配管閉塞防止にも配慮し、万博開催のため遅延できない状況下において、進捗に影響の少ない施工方法の選定が課題となった。本報文では、シールドマシンや排土設備の工夫により、地中構造物が残された埋立地盤において確実なシールド掘進を行った施工体験について報告する。
・キーワード:泥土圧シールド, 地中構造物, 埋立地盤, 粘性土, ドレーン材, 鋼管矢板, 直接切削

◆エアーモルタルを使用したシールド到達について
 ―石巻市住吉1号幹線管渠他1施設復興建設工事―
佐藤工業(株) 東京支店作業所 田中 功一郎
(概要)本工事は、宮城県石巻市に浸水対策を目的とした2 本の雨水幹線(1 号幹線:φ2,800mm、2 号幹線:φ1,500mm)を築造するものである。1 号幹線の施工は到達防護用の地盤改良も完了し、残り2 ヶ月程度で到達を迎える状態であったが、掘削中に予期せぬ岩盤に遭遇し、掘進を断念した。工事再開に向けて、調査、検討及び計画の為に約2 年間の休止期間を挟んで、3 年遅れて当初の到達立坑に到達することが出来た。工事再開後の工程が大変厳しく、通常の到達手順では工期に間に合わないため、出来るだけ工期短縮出来る方法、手順を検討した。今回の報告では、新規2 台のシールド製作やエアーモルタルを用いた到達などさまざまな工夫を実施した点について報告する。
・キーワード:シールド到達,エアーモルタル,分割施工

◆シールド地中障害物直接切削による施工効率向上と周辺影響低減
 ―六郷遮集幹線その3 工事·六郷遮集幹線その5 工事―
前田建設工業(株) 東京土木支店 川崎六郷シールド3·5 作業所 笠 爽平
(概要)本工事は,川崎市南部地域の合流式下水道の改善を目的とした六郷遮集幹線事業を行う。当該工事は六郷ポンプ場から大師河原ポンプ場間の2工区,六郷遮集幹線その3工事(φ3,080mm,約830m)及び六郷遮集幹線その5工事約(φ2,160mm,約530m)の下水管路を新設する工事である。当該工事シールド路線内には地中障害物(RC 連続壁,シートパイル及びPC 杭)が残置されていることが分かっている。地中障害物の地上部には重要構造物(京急電鉄大師線,国道及び市道)が存在しているため,泥土圧式シールド機械で地中障害物を直接切削する工法であるミリングシールド工法を採用した.本論文では、ミリングシールド工法の採用により周辺環境に対して問題なく施工できたので報告する。
・キーワード:泥土圧式シールド,ミリングモール,ミリングシールド,磁気探査,地中障害物,
       シールド機直接切削,前方探査

◆玉石混じり砂礫層における安定したシールド掘進とリスク対策
 ―新東京ライン建設第五期工事の内、神流川横断工事―
(株)奥村組 東日本支社 東京土木第1 部 上里シールド工事所 工事担当 崎山 直人
(概要)本工事は、安定的な天然ガス供給を確保するため、埼玉県上里町から群馬県藤岡市までの1,564m 区間に、高圧ガス導管を敷設するためのさや管(セグメント内径φ2,000 ㎜)を構築するシールド工事である。掘削対象土質は、主に最大礫径φ450 ㎜の玉石を含む洪積砂礫層(Dg1)であり、洪積粘性土層(Dc)が点在する。施工区間の半分が一級河川「神流川」の直下に位置し、河川横断は渇水期内に完了する必要があった。しかし、受注後の管理者協議において、渇水期施工すべき範囲が変更となり、計画工程よりも2か月短縮して河川横断する必要が生じた。2か月の工程短縮に加えて、安定した日進量を確保するシールドの計画や掘進サイクルのタイムロスを抑制する設備計画、工程遅延を招く排土管の閉塞トラブル防止対策が課題となった。本稿は、これらの課題への対策について報告するものである。
・キーワード:シールド,河川横断,砂礫層,工程短縮

◆国家戦略特区と地下鉄2 路線を結ぶ連絡通路設置工事に伴う施工改善
 ―虎ノ門·麻布台地区第一種市街地再開発に伴う東京メトロ南北線六本木一丁目駅
  および日比谷線神谷町駅連絡通路設置工事―
東京地下鉄(株) 改良建設部 設計第二課 1 級事務係 大迫 りょう
(概要)本工事は、国家戦略特区として認定された虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発地区と東京メトロ南北線六本木一丁目駅および日比谷線神谷町駅を接続する連絡通路をそれぞれ設置するものである。六本木一丁目駅との連絡通路では、幹線道路の交差点部に埋設物が輻輳しているため、再開発事業との工程を考慮し、全長約130m の開削工事区間のうち約30m を非開削工法への変更と、約20m にプレキャスト工法を採用することで工期短縮を図った。また、神谷町駅との連絡通路では、駅接続部の既設躯体のうち、壁構造を柱構造に変更するため、鋼管柱を採用することとなった。従来型の鋼管柱は鋳鋼製支承板を使用するが、支承板製作に時間を要することから、新たに開発したJIS 鋼板を積層する鋼製支承板を使用することで工期短縮を図った。本稿では、これらの施工改善事例について報告する。
・キーワード:地下鉄,連絡通路,開削工事,非開削,工期短縮,URT,プレキャスト,鋼管柱,
       高流動コンクリート

◆JR 営業線との近接施工及び市街地での施工における創意工夫
 ―姫路市汐入川才西川放水路幹線工事―
清水建設(株) 土木総本部 土木技術本部 シールド統括部 宮本 順三
(概要)本工事は、兵庫県姫路市広畑区の才川及び才西川周辺地域における、雨水排水能力不足による浸水被害の解消を目的とした放水路を、シールド工法及び推進工法により築造する工事である。シールド工(仕上り内径φ3,500mm,掘進距離L=1,526m)では、急曲線区間(R =30, 60m)を含む線形を泥土圧シールド工法で施工した。発進から1,200m地点のJR 山陽本線下越し区間では県道アンダーパス工事もあり、軌道仮受杭と離隔約1.7m という厳しい条件の中で、正確な線形管理と砂礫地盤掘進時の地盤変状防止が求められた。また、発進立坑周辺には病院や住宅地、商業施設等があり、 隣接する県道415 号線は朝夕交通量が多く、自転車や歩行者が往来する立地環境であった。そのため、周辺環境への影響防止と一般車・第三者への配慮が最優先課題と考えられた。本稿では、実施した施工改善と対策について報告する。
・キーワード:泥土圧シールド工法,急曲線施工,SSPC,近接施工,FEM 解析,変位計測,振動対策,
       騒音対策

◆市街地における泥水式シールド工法による長距離·急曲線施工とその対策
 ―落合水再生センター~みやぎ水再生センター間送泥管その3工事―
東京都下水道局 第一基幹施設再構築事務所 工事第二課 主任 佐々木 慶太
(概要) 本工事は落合水再生センター~みやぎ水再生センター間送泥管事業の一環として、新宿区上落合一丁目の落合水再生センター内に発進立坑を設け、板橋区南町の中丸児童遊園までの4,072.5m の区間において泥水式シールド工法により送泥管敷設のための管廊(仕上り内径2,600mm)を整備するものである。本工事の路線においては、長距離の施工であることに加え、曲線半径15m の区間3 箇所、曲線半径20m の区間4 箇所の計7 箇所の急曲線施工が必要である。この長距離・急曲線施工による線形精度確保と重要インフラへの影響防止に向け、高低差を設けたカッタービット配列、追従性向上のためテールブラシ部の改良等、対策を講じることにより施工を行っている。
・キーワード:泥水式シールド工法,長距離,急曲線,外径縮小,線形精度確保,
       重要インフラへの影響防止
 
◆凍結工法によるケーソン間の接続工事
 ―城北中央公園調節池(一期)工事その2―
戸田建設(株) 首都圏土木支店 土木工事1部 糸谷 真一郎
(概要)本工事は、近年のゲリラ豪雨や巨大台風の襲来等により城北中央公園に隣接する石神井川流域の水害リスクの高まりを受け、石神井川の整備水準を従来の1.5 倍に増強するための治水対策の一環で行う東京都財務局発注の調節池工事である。現場では、河川近傍で2 函のケーソンを沈設後、ケーソン下部で接続工を計2 箇所施工することとなった。本稿では、ケーソン間接続工の構築にあたり顕在化した施工上の課題や対策等について取り纏めた内容について報告する。
・キーワード:ニューマチックケーソン,接続工,高地下水位,凍結工法,3次元温度解析

◆大断面シールド施工における本掘進実績
 ―横浜環状南線公田笠間トンネル工事報告―
鹿島建設(株) 東京土木支店 公田笠間トンネル工事事務所 森田 達也
(概要)国内最大規模の大断面気泡シールド工事において、安全・安心な施工を強く求められる中、切羽圧の安定を保つためのチャンバー内泥土の塑性流動性確保や排土量を中心とした掘進管理の強化や振動抑制対策の実施により、安定した掘進を継続でき、往路トンネル(下り線)の掘進を終えた。本報文では、下り線本掘進における実績・課題について報告する。
・キーワード:シールド,掘進工,大断面,泥土圧,気泡,塑性流動性,排土量管理,振動抑制

◆高水圧下におけるT字接合工法を用いた既設管との接合実績
 ―足立区千住曙町付近再構築工事―
西松建設(株) 関東土木支社 千住曙町出張所 工事係 峯尾 勇治
(概要)本工事は、東京都足立区千住東~日ノ出町流域の雨水を、隅田川幹線を経由して千住関屋ポンプ所へ流す管渠を新設するものである。本シールドは、既設人孔を発進立坑として使用し、既設管渠の隅田川幹線までの延長181.3mをシールド機外径 3,490mmの泥土圧シールド工法により掘進する。シールドの施工条件は、最大土かぶり37m で高水圧が作用すること、また管渠接続部直上は交通量が非常に多い都道でありかつ京成電鉄高架橋や歩道橋に近接するとともに、地下埋設物も輻輳した厳しいものである。そのため、既設管渠との接続方法は、立坑を省略してシールド機により直接既設管渠を切削し機械接合を行うT 字接合工法(T-BOSS 工法)を採用した。本稿では、T-BOSS 工法による機械接合における切羽土圧保持方法、既設管貫通および接合時の出水対策などの施工実績について報告する。
・キーワード:T字接合工法,T-BOSS 工法,シールド,既設管渠直接切削,地中接合

◆総武本線直下における仮梁エレメントを用いたHEP&JES 工法の施工
 ―飯岡·倉橋間こ道橋新設工事―
鉄建建設(株) 土木本部 土木設計部 設計グループ 課長 高山 真揮
(概要)本工事は、交通問題の解消及び交通整備による地域交流の活発化を目的として、HEP&JES 工法で連絡道を構築するものである。本件では、鉄道交差部の函体下床版位置が良質な砂質地盤であるため、エレメント本数の削減による工期短縮とコストダウンが見込める仮梁方式を採用した。また、当初計画では、仮梁エレメントを仮橋脚が直接受ける構造となっており、仮橋脚と仮梁エレメントに生じる隙間による軌道変位の発生や、解体作業時の施工性確保が課題であった。そこで、プレロードジャッキを追加し、安全性向上を目的とした施工計画を立案した。結果、プレロード工施工時および函体内掘削時において、軌道変位量を基準値内に収めることができ、解体作業時に、仮梁エレメントに載荷されている荷重を段階的に除荷することにより、安全に施工を完了することができた。
・キーワード:非開削工法,HEP&JES 工法,線路下横断,仮梁方式

◆角形エレメント推進工法による鉄道駅非開削大断面トンネルの構築
 ―相鉄·東急直通線、綱島トンネル他工事―
戸田建設(株) 首都圏土木支店 横浜市第一戸塚線シールド作業所 主任 弘瀬 雄太
(概要)相鉄・東急直通線は、神奈川東部方面線の一部として、相鉄・JR 直通線の羽沢横浜国大駅から東急東横線・目黒線日吉駅までの区間に延長約10 ㎞の連絡線を整備するものである。新綱島駅は、深さ約35m、幅員約14~25m の島式ホームを有する4 層の地下駅であり、全長240m の日吉側34.5m は非開削方法を選定している。非開削区間はホームの一部を構成するため内空224m2(高さ14m,幅19m)を有した大断面が必要であった。当該箇所の地層はN 値50 以上の上総層であったが、砂層と泥岩の互層で、砂層分布は不明確で豊富な地下水を有していた。地上には病院や商業ビルなどの建物が密集して土地の利用に制限があった。これらの条件を踏まえて、非開削工法で到達立坑の設置不要な既存の角型鋼管推進工法を改良した「さくさくJAWS 工法(Joint All Water Shutting)」を採用し大断面を非開削工法で掘削した。本稿では、その施工実績について報告する。
・キーワード:鉄道,非開削区間,推進工法,さくさくJAWS工法,角形エレメント