202402

区分
施工体験発表テキスト
図書分類
施工体験発表会
図書名/雑誌名
第94回施工体験発表会(山岳)CD-ROM
主題/副題
様々な課題にチャレンジした山岳トンネルの建設およびトンネルリニューアル工事-創意工夫・生産性・安全性向上、働き方改革-
所属
一般社団法人日本トンネル技術協会
発行所
一般社団法人日本トンネル技術協会
発刊年月(表示用)
2024年(令和6年)10月
頒布価格 (団体・税込)
5000円
頒布価格 (個人・税込)
5000円
頒布価格 (一般・税込)
5000円
体 裁
CD-RプリントサイズA4
内容

目次:掲載頁/演題/発表者/所属

目 次

◆小断面NATMにおける熱水変質を受けた低強度地山と多量湧水への対策
 ―北海道縦貫自動車道七飯町大沼トンネル避難坑西大沼工区―
(株)大林組 札幌支店 大沼トンネルJV 工事事務所 岡崎 雄一
(概要)北海道縦貫自動車道 七飯町 大沼トンネル避難坑西大沼工区は、避難坑全長 7,041.8m のうち終点側(札幌市側)3,363.8m を施工するものであり、本坑より先行して避難坑を施工することで地質データの収集や水抜き効果などの役割を担っている。①低強度地山および高被圧湧水区間においては、熱水変質により粘土化した地質と3MPa を超える高被圧湧水の分布に対し、インバートストラットによる早期閉合と各支保工のランクアップ、長尺ボーリングによる抜きで対応した。②低強度地山および300m を超える大土かぶり区間においては、小断面山岳トンネルとしては国内でも採用事例の少ない円形二重支保を採用して対応し、事前の数値解析や適用後の各種計測により支保の応力状態を把握し妥当性を確認した。上記の対策工の結果、無事掘削を終えることができた。
・キーワード:小断面山岳トンネル,多量湧水,低強度地山,熱水変質,円形二重支保,FEM 解析

◆中央構造線に近接する大土かぶりトンネルの施工について
 ―平成30年度三遠南信池島トンネル本坑工事―
(株)安藤・間 池島トンネル作業所 現場代理人 永井 亮真
(概要)青崩峠トンネル(仮称)は、長野県と静岡県の県境に位置する全長4,998m の山岳トンネルである。本トンネルは中央構造線に対して離隔距離約500m で平行に位置するため、断層運動の影響を受けた複雑な地質が切羽に出現する。青崩峠トンネル(仮称)のうち静岡県側工区(L=2,144m)では,土かぶりが440m を超えるころから、変位の抑制対策として二重支保工を適用し、さらに、土かぶりが550m を超える地山深部では54N/mm2 の超高強度吹付けコンクリートを適用することにより、無事貫通するに至った。本稿では、中央構造線近傍の脆弱な変成岩類の特徴をとらえた二重支保工の施工方法の詳細、超高強度吹付けコンクリートの適用およびその結果などについて報告する。
・キーワード:中央構造線,大土かぶり,二重支保工,超高強度吹付けコンクリート

◆二重支保構造と超高強度吹付けコンクリートを適用した大土かぶりトンネルの施工
 ―三遠南信自動車道青崩峠トンネル(仮称)長野側工区―
五洋建設(株) 名古屋支店 小嵐トンネル工事事務所 主任 市川 諒
(概要)三遠南信自動車道で計画されている、青崩峠トンネル(仮称)(以下、「本トンネル」という)は長野県と静岡県の県境に位置する延長4,998m の2 車線道路トンネルである。このトンネルのうち長野側工区と静岡側工区の工区境には土かぶりが500m から610m に急激に増加する大土かぶり区間があった。土かぶり530m となる区間までは支保パターンDI-b で順調に掘削を進めていたものの変位と変形が大きくなり、吹付けコンクリートにはひび割れ、鋼製支保工には座屈などの変状が発生した。その結果、以奥の掘削については二重支保構造を適用するとともに,土かぶりが最も大きくなる区間については設計基準強度54N/mm2 の超高強度吹付けコンクリートを用いた二重支保構造を適用した。本稿では、二重支保構造を適用するまでの経緯と施工状況、施工によって得られた内空変位量、天端沈下量の抑制効果を報告するものである。
・キーワード:山岳トンネル,二重支保,超高強度,大土かぶり,変位量抑制,中央構造線

◆三車線断面トンネルにおける導坑先進工法の計画とその効果検証
 ―新名神高速道路大津大石トンネル工事―
鹿島建設(株) 土木設計本部 地下空間設計部 トンネルグループ グループ長 藤原 浩一
(概要)新名神高速道路大津大石トンネルは上下線を有する片側三車線の大断面トンネルである。同工事では、到達側坑口に位置し、路線のクリティカル工事の1 つである信楽川橋下部工に早く着手することを目的に導坑先進工法を採用した。同下部工は急峻な地形に位置し、地上からのアクセスが困難なため、小さい断面で早くトンネルを到達させ、それを工事用道路として活用することを意図したものである。一方で、導坑先進工法は、地質確認や拡幅時の切羽の安定性向上など、トンネル掘削を行う上でも多数の利点を有する。今回、この先進導坑が工事用道路としての機能を終え、本坑断面への拡幅掘削が完了した。そこで、通常の上半先進工法で掘削した下り線と導坑先進工法を採用した上り線の実績を比較することで、導坑先進工法の効果について検証を行ったので、その結果を報告する。
・キーワード:導坑先進工法,頂設導坑,大断面トンネル,切拡げ掘削,頁岩,いなし効果,切羽安定,
       補助工法

◆掘削断面積330m2 の分岐大断面トンネルの計画と施工
 ―中央新幹線第一中京圏トンネル新設(西尾工区)―
大成建設(株) 土木設計部 トンネル地下設計室 蔭山 凌
(概要)現在、施工を進めている中央新幹線第一中京圏トンネル(西尾工区)では、保守基地線トンネル(40m2)と本線トンネル(100m2)が地中にて並行に接合する。そのためそれらを包含する分岐大断面トンネルを上下線で2箇所、掘削する必要が生じた。分岐大断面トンネルは延長130m で分岐始端の100m2 からラッパ状に漸拡し、終端において330m2 の最大断面となる。本トンネルは特殊な形状であることから安全性、施工性、経済性を加味し、事前の地質調査で確認した地山等級ⅢN 相当の新鮮な花崗岩区間に配置する計画とした。先進導坑(100m2)にて地質を把握して事前に実施した支保の設計の妥当性を確認した。また、計測管理を実施しながら大断面を最大5分割で施工する計画とした。令和6 年7 月時点で下り線側は施工基面まで(最大210m2)の掘削を完了し、上り線側は施工基面までの掘削に加え下半掘削を開始している。それらの結果について報告する。
・キーワード:山岳トンネル,中央新幹線,大断面, 再現解析, 先進導坑

◆供用中の国道及び地すべり対策構造物に近接する小断面トンネル施工
 ―栃本発電所導水路新設並びに関連除却工事―
(株) 熊谷組 首都圏支店 栃本導水路作業所 工事主任 坂上 哲嗣
(概要)本工事は,経年劣化した既設導水路の一部区間を新設導水路に切り替える工事である。設の導水路は、施工延長3,146.9m、標準断面積約8m2 程度の小断面トンネルある。施工は発破掘削方式、レール工法により行い、横坑から上口工区と下口工区に分岐して掘削を行った。国道140 号大峰トンネル(日交通量1,000 台超)の直下を離隔約10m で、また既設地すべり対策構造物にも近接施工となるため、それら構造物に影響を与えないよう検討を行った。本稿では、それら対象物への発破振動対策及び各種計測管理によって得られたデータから挙動を早期に把握し、施工管理に反映させた実績について報告する。
・キーワード:小断面トンネル,近接施工,制御発破,非火薬破砕剤

◆小断面長距離導水路の補修と小型NATM掘削における仮設備
 ―菊池川第二発電所総合更新工事―
佐藤工業(株) 本社 土木事業本部 設計部 早川 峻奎
(概要)菊池川第二発電所総合更新工事は、平成28 年4 月の熊本地震で設備や水圧管路等が被災した発電所の復旧工事である。被災した既設導水路の補強は、総延長約2,858m の導水路(小断面トンネル)においてPCM 吹付工、インバートコンクリート工などを実施するものである。また、新設の水圧管路工として延長171m の小断面NATM 掘削を行った。狭小な断面内での施工となるため、当初の設計・施工計画では、安全な施工が困難である事と、工程の遅延が予想された。本報文では、既設導水路の補修および新設小断面トンネルの掘削において、安全かつ効率的な施工を実施するため課題となった事項と、対策として実施した施工方法、使用設備・機材の変更について述べる。
・キーワード:導水路トンネル,PCM 工法,小断面NATM 掘削,簡易軌道

◆特殊な諸条件に配慮した斜坑門および小土かぶり部のトンネル施工実績
 ―令和2-5 年度窪川佐賀道路不破原トンネル工事―
西松建設(株) 四国支店 不破原トンネル出張所 副所長 原 圭太
(概要)高知県西部に位置する国道56号窪川佐賀道路の一部として建設する延長1,831mのトンネルである。当初設計では、片側に大規模な切土が生じることやトンネル上部に転石が存在していたことなどの要因から、坑口付けに伴う掘削を最小限に収めることや将来的な維持管理性の向上を目的として、地形に配慮した斜坑門への計画変更を行った。また、トンネル中間部に位置する小土かぶり部では、地質が明確になっていないことや、トンネル掘削に起因する沢水の渇水による近隣住民への影響が懸念された。そのため、トンネル坑内から詳細な地質調査を実施するとともに、先行変位の抑制と減水効果を図るための特殊なAGF工法を実施した。これらの施工実績や施工上の工夫について報告する。
・キーワード:斜坑門,小土かぶり,AGF

◆ゴルフ場直下におけるパイプルーフ工とトンネル掘削時の沈下抑制対策
 ―令和2 年度北勢BP 坂部トンネル工事―
飛島建設(株) 土木本部 伊那山地トンネル西作業所 古宮 正勝
(概要)国道1号北勢パイパスは、国道1号・23 号等の渋滞緩和、災害に強い道路機能の確保および地域活性化の支援を目的に計画された道路で、三重郡川越町南福崎~四日市市釆女町に至る延長21 ㎞の幹線道路である。坂部トンネルは標高70~80m の丘陵地を約870m の延長で貫く。トンネル上部はほぼ全線にわたって営業中のゴルフ場で、第3期工事である本工事(L=125m)では最小土かぶり3m となる区間があり、地下水位のある未固結地山が掘削対象である。そのため、掘削に先立って全線でパイプルーフ工を施工した後、鏡補強工やインバート早期閉合を行いながらNATM で掘削するトンネル工事である。本報文では、パイプルーフ施工時の課題と対策、全自動ドローンによる遠隔モニタリング、およびトンネル掘削時の沈下抑制対策とその効果について報告する。
・キーワード:パイプルーフ工,GNSS,全自動UAV,早期閉合,ウレタン系減水・止水材

◆極小土かぶり部におけるトンネル坑口施⼯
 ―広島呉道路吉浦トンネル―
戸田建設(株) 土木技術統轄部 土木技術部 技術1 課 矢吹 公希
(概要)本工事は、広島呉道路(クレアライン)坂北IC~呉IC 間を2車線から4車線に整備する事業のうち、呉市天応東久保から松葉町までの2,585m の区間を施工するものである。そのうち、トンネル区間延長は664m であり、起点側坑口部には供用中の市道直下を最小土かぶりが約50cm でトンネル施工を行う計画となっている。市道直下区間はパイプルーフ工法による対策が設計されていたが、追加調査の結果、施工困難であると判断し、3次元FEM 解析を用いて代替案の検討を行った。本稿は、代替案の検討内容、実施した対策工および施工結果について報告するものである。
・キーワード:小土かぶり,長尺鋼管先受け工,FEM 解析,早期閉合

◆無導坑・中央導坑方式を併用したメガネトンネルの設計・施工
 ―都市計画道路上郷公田線(公田地区)道路建設工事桂町トンネル―
前田建設工業(株) 東京土木支店 桂町トンネル作業所 主任技術者 山本 高志
(概要)桂町トンネルは、都市計画道路上郷公田線(3.2km)の路線端部に位置し、上下線が並走する延長331m のメガネトンネルである。本トンネルは住宅地域に位置し、トンネル掘削線から50cm 外側が官民境界であるとともに、土かぶりが平均10m 程度であることから、騒音・振動や掘削による近接影響に細心の注意を払いながらの施工となった。地質は、トンネル全長の4 割が風化岩と関東ローム層からなり、その軟弱な地質に対応するため、当初、中央導坑方式を全線で採用していた。しかし比較的安定した地質である上総層群大船層・新鮮部では、設計を見直し、無導坑方式を採用した。また、トンネル中間部に窪地(沢地)を呈する低土かぶり区間が約50mあるといった厳しい条件下であった。本報文では、①中央導坑方式から無導坑方式への変更の判断②低土かぶり区間における支保パターン変更の過程・考察③実施工における挙動およびその対策と管理方法について述べる。
・キーワード:中央導坑方式,無導坑方式,低土かぶり,支保パターン,メガネトンネル,近接影響

◆小土かぶりで脆弱な膨張性地山における新幹線トンネルの施工
 ―北海道新幹線豊野トンネル外1 箇所他工事―
青木あすなろ建設(株) 東京土木本店 豊野トンネル作業所 監理技術者 青木 雄大
(概要)北海道新幹線豊野トンネル工事は、長万部駅の新函館北斗方に位置し、豊野トンネル(工事延長1,610m)及び幌内トンネル(工事延長 555m)を札幌方から掘削する工事である。本トンネルの主要な地質である八雲層(泥岩,頁岩)は、事前調査より地山強度が小さく膨潤性粘土鉱物(スメクタイト)を含んでいたため、内空変位の増大や切羽鏡面の崩落や押出しが懸念された。また、土かぶりが2D(D:トンネル掘削幅)以下の沢部や断層部、地すべり箇所が存在したため、地山の安定に配慮した慎重な施工を行う必要があった。本報告は、上記の脆弱な地山において実施した、トンネル掘削時の変状対策について報告する。
・キーワード:特殊地山,小土かぶり,地すべり,前方探査,インバート早期閉合,3D 地中変位計

◆新生代(古第三紀以降)の泥岩を含む地山における盤ぶくれ対策について
 ―北海道新幹線立岩トンネル(ルコツ)―
(株)奥村組 札幌支店立岩トンネル(ルコツ)工事所 工事主任 中西 正樹
(概要)立岩トンネル(ルコツ)は、北海道新幹線新八雲(仮称)駅・長万部駅間に位置する全長約17km の立岩トンネル4 工区のうち、新函館北斗方から3 番目の約5km の工区である。当工区の地山は,新生代(古第三紀以降)の泥岩等の細粒砕屑岩類に分類され、地山強度比が小さく、浸水崩壊度が高くスレーキングを生じやすい地山である。さらに八雲層は、膨張性粘土鉱物を多く含む地層であることから、施工中や供用後に盤ぶくれの発生が懸念される。特に供用後の盤ぶくれに伴う路盤隆起は、営業線の運行に多大な影響を及ぼすため、将来的な盤ぶくれの発生を防ぐためのトンネル施工時における対策工法の選定と対策工の実施が非常に重要である。本報文では、新生代(古第三紀以降)の泥岩を含む地山における、施工時の盤ぶくれ対策の課題と実際の対策について述べる。
・キーワード:山岳トンネル, 盤ぶくれ, 膨張性地山,北海道新幹線

◆高速道路で初の矢板工法トンネルのインバート補強工事
 ―北陸自動車道米山トンネル―
飛島建設(株) 土木本部 北陸道覆工再生曽々木作業所 石野卓哉
(概要)北陸自動車道米山トンネル下り線は、1983 年に供用して以来約40 年が経過している。1996 年に舗装面が最大108mm隆起し、2007 年に発生した中越沖地震では覆工表面が部分的にはく落する等の被害が生じた。復旧工事後に路面隆起が継続していることから2022 年にインバートを新たに設置するリニューアル工事(L=450m)を実施した。本稿は、路面隆起の発生状況、設計・施工段階での検討、施工工程、使用機械およびインバート施工時の計測結果について報告する。
・キーワード:矢板工法,路面隆起,インバート補強工

◆供用中の高速道路におけるU型土留めを利用したインバートの急速施工
 ―上信越自動車道閼伽流山トンネル(上り線)補強工事―
三井住友建設㈱・佐田建設㈱上信越自動車道閼伽流山トンネル(上り線)補強工事特定建設工事共同企業体 酒井 直紀
(概要)本工事は、上信越自動車道の佐久I.C~碓氷軽井沢I.C 間に位置する閼伽流山トンネル(上り線)において、既設路面に発生している路面隆起(盤ぶくれ)箇所にインバートを追加施工(2 区間で357m)することで、トンネルの安定性と耐久性を向上させるインバート補強工事である。施工に当たっては、供用中の高速道路を昼夜連続の片側車線規制にて施工するため、第三者災害の防止と交通規制期間の短縮が課題であった。また、施工中は供用車線を確保するために道路中心付近に土留め杭を施工するが、当該作業がもっとも一般車両に近接する。そこで、本工事では第三者災害の発生がもっとも懸念される土留め杭の打設を省略し、土留め機能とインバートの一部を同時に構築できる「クイックre インバート工法」を適用し、その効果を検証した。本稿では、本工法の概要や施工計画のほか、現場に初めて適用して得られた知見、今後の改善点などについて報告する。
・キーワード:インバート補強工,片側車線規制,土留め工,クイックre インバート,工程短縮

◆新幹線トンネルにおける斜坑の分岐から本坑交差部の施工
 ―北海道新幹線、札樽トンネル(銭函)工事―
岩田地崎建設(株) 北海道本店 土木部札樽トンネル銭函工事 監理技術者 金子 泰久
(概要)札樽トンネル(銭函)工事は、北海道新幹線新函館北斗・札幌間(延長約212km)で最も札幌寄りに位置する札樽トンネル(延長約26.2km)のうち、起点方(新函館北斗方)から2 番目の工区で、本坑4,000m、斜坑478.9m の山岳トンネル工事である。本工事の斜坑は、幹線道路からのアクセスが良いため、本坑掘削完了後も軌道工事などの資材搬入に使用する計画に変更した。当初の斜坑と本坑の交差部は、開口幅約10m、交差角度が本坑に対して約82°であり、軌道工事などの資材運搬車両の円滑な輸送が必要なため、斜坑と本坑の交差部においてトンネル線形と断面の検討を行った。その結果、斜坑の途中から軌道工事などの資材搬入用の斜坑を分岐することとした。本稿では、斜坑と本坑の交差部の検討概要と採用した斜坑内分岐について報告する。
・キーワード:斜坑,分岐部,近接部,大断面,近接トンネル,発破振動

◆国内最大のプレキャスト覆工の施工
 ―熊本57 号滝室坂トンネル西新設(二期)工事―
清水建設(株) 滝室坂トンネル西作業所 前原一稀
(概要)滝室坂トンネルでは掘削断面19m2 避難坑の中間部を切り広げ、掘削断面116m2 のポンプ室(延長約73m)を設ける必要があった。この中間ポンプ室の覆工を施工するにあたり、①狭隘箇所におけるセントル組立・解体作業の安全確保、②クリティカルパスとなる中間ポンプ室覆工施工の工期短縮という2 つの課題があった。これらの課題を解決するために、滝室坂トンネル西新設工事では中間ポンプ室の覆工にプレキャスト(PCL 工法)を採用した。これにより、危険作業となるセントルの組立・解体作業そのものを省略できたので、覆工施工の安全性が大きく向上した。また、工程面においても、標準覆工の場合約3 か月半かかるところをPCL 工法は2 か月で施工でき、約1 か月半の工程短縮が可能となった。本工事で採用したプレキャスト覆工(内空幅15m で国内最大)の施工について報告する。
・キーワード:覆工,プレキャスト,生産性向上,安全性向上